グローバル社会で通用する人材になるには

グローバルな思考力ってなんだろう
風船はどうして動いた?
早速ですが、質問です。
空に風船が飛んでいるのを想像してください。
場所はどこでもいいです。
あるとき、その風船が急にふいっと動きました。
なぜだと思いますか?
…
まずは【風が吹いたから】と思った方が多いのではないでしょうか?
この答えは、いわゆる東洋思考です。私たち日本人を含む東アジア人に多い考え方で、中国の”気”の思想のように人や物は周囲からの影響を受けて成り立っていることが前提となります。そのため、風船は周りからの力によって動いた、この場合はつまり”風”に吹かれたと考えます。
恐らく多くの人はまず、こちらを思い浮かべたのではないでしょうか?もしかすると、これ以外の答えが浮かばない人もいるかもしれません。
一方、【風船の空気が抜けたから】という答えもあります。
この答えは、西洋型思考で、欧米人がよく答えると回答です。西洋では、ギリシャ哲学などに見られるように個人の存在を追求し続け、その影響から、欧米人の見る物事はその”中心”が常に主導しています。そのため、風船はあくまで風船自体の力によって動いたと考えるんです。

日本人は自分を犠牲にする
現代において人種や地域で属性をまとめるのは模範的ではないかもしれませんが、納得のいく例えを出しましょう。少し極端な言い方にはなりますが、日本人と欧米人を比較すると次のようになります。
・気の影響を受ける日本人は、自分や自分の大切な物事を犠牲にしてまで働くし、周りの目を見て自分の意見を抑える。
・自分を中心に考える欧米人は自分や家族を優先するし、自分の考えをしっかり相手に伝える。
この2つの考え方はどちらがいいと決められるものではありませんが、仮に今後の世界では(あるいは国際的な場面ではすでにそうなっていますが)どちらの思考がより主流となっていくでしょうか?言うまでもなく、西洋型思考、風船はあくまでも、良くも悪くも、自分が原因で動いたという発想をする方です。
ただ、あなたが現時点で風船は風によって動く東洋型思考を持っているとしても、焦って思考を変えようとする必要はありません。肝心なのは柔軟性と適応力です。
これからもっと日本は安くなる
勉強できるかどうななんて、いっさい関係ない

言うまでもなく日本の教育水準は世界的には高く、基本的には国民は全員が最低でも小学校・中学校の義務教育を受けており、少なくともそのうち中学校では英語を勉強しているはずです。日本人は西洋文化とくにアメリカからの文化的影響は大きく受けているため、受動的な教育ではなくても、能動的に英語に触れる機会は往々にして多いでしょう。さらにも増して翻訳ツールなど現代のテクノロジーを掛け合わせれば、仮に東京のど真ん中で見知らぬ外国人が道に迷っているのを、助けてあげるくらいのことは誰にだってできますよね。
ところが、日本人はそれをしないんです。簡単に表現すると、日本人は英語を理解しているのに、話そうとしないんです。多くの人の場合、話すのが恥ずかしいから、文法や発音が間違ったていたら恥ずかしいから、もしくは、自分じゃない誰か他人が対応してくれたらいいと願っているからです。
これほどの宝の持ち腐れは他にありません。それどころか、どうせ理解しても実践することのないものなら、それに費やした勉強の時間がどうしようもなく無駄です。どうして日本人はこうなんでしょうか。
世界には、共通で話せそうな言語が一言もわからなくても、困っていそうな人に表現と仕草だけで助けはいらないかと声をかけにいく人がいます。自身の言語能力は低いとわかっていながらも、徹底的に自分の意志を最後まで伝えようとするビジネスマンが多くいます。もちろん言語を理解できていればそれはプラスですが、その理解がなくたってなんとかしようとする。これからそういう人材がますます世の中に溢れてきます。そんな中で、理解しているのに話そうとすらしない日本人は、必要でしょうか?
日本人はますます使われるようになる

2022年初頭から始まった世界的な円安モードは当面も続くだけでなく、それ以前の円高水準に戻る要素が全く見えない状況です。主に製造業で海外に拠点を持つ企業の撤退率は増加しています。コロナによる直接的なパワーダウンが原因での撤退ももちろんありますが、海外拠点で生産した商品の最終消費が日本となる企業にとっては、海外製造するコストメリットがなくなったからという理由も多いでしょう。海外に拠点を持つことのメリットは言うまでもなく人件費はじめ現地でかかる費用を抑えることですが、ここ最近においては、必ずしもそうではなくなってきたと言うことですね。加えて物流停滞や為替のリスクもあることから、もはや最初から日本で作ってしまった方が安いし安全、ということです。
それだけであればまだマシで、この状況がより続いてさらに加速していけば、欧米の経済発展国や経済急成長中の国々が逆に日本に拠点をもっと持ち始めるでしょう。インバウンドという言葉の定義が”来日観光”ばかりじゃなく、広く”来日就労”も含むように変わってきそうです。そうなれば、日本人は使われる側になるんです。学習能力や技術力もあり、反抗も言わないどころか意見主張すらしない国民ですから、それはそれは使いやすいでしょうね。
で、あなたはそれでいいでしょうか?こんなに選択肢も自由もそれなりにある日本にいるのに、ですよ。
言語能力が低くても皆無でも、自分の意見を言える人物になりたいと思いませんか?
まとめ

風船がふいに動いた理由を、風と答える人と空気が抜けたと答える人がいます。前者は周囲からの影響を主に考え、後者は常に自分を中心に物事を考えます。これからの時代では、後者のような思考が主流になってきます。
日本人は基本的に前者で、常に周りの目を気にして、自分を犠牲にすることにも違和感がありません。
そんな日本人ですから、英語を理解しているのに話そうとしない性格や気質が足枷となり、これからの円安の時代に日本に進出してくる海外資本に好きなように使われてしまうだけになりそうです。
これからほんの20年先、あなたの職場や身の回りにいるのは日本人でも、”風にまどわされない未来の日本人”からもしれません。こういう人もいるんだなと、知っておくだけでも違うと思います。自分の思うことは声に出すべき時代です。これまでは意見の言えない人は “周りに流される” と例えられてきましたが、これからは “流れにも取り残される” 人になってしまいますよ。