止まらない心の休め方

マインドフルネスを始めよう

考え事を少なくすることこそ脳の休息

日々バタバタと生活しているとふと、何も考えずぼーっとしたいと思うことってありますよね。海に行ってぼんやりしたいとか、頭の中を空白にしてリセットしたいとか。
でも残念なおしらせなのですが、完全に思考を停止することは人間にはできません。生きている限り、脳は動き続けています。それどころか脳には、何も考え事をしない時にだけ活発化する部分があります。脳の各部位をつなぐ“DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)”という脳の中でも重要な神経回路です。

つまりどんなに思考を無にしようとしても、脳はどこかしらが必ず稼働してしまうということなんですが、ではせめて、脳に少しでも負荷がかからないようにするにはどうすればいいか?
その答えは考え事を最小限に抑えることです。より詳しく言えば“なるべく考えないようにする”のではなくて”考え事を1つに絞る”という意味です。

世界が注目する”マインドフルネス”とは

そこで現在世界中で注目され普及しつつあるのが”マインドフルネス”です。これは、呼吸など自分が現在進行形で体験していることを意識的に集中して感じあるがままを受け入れる状態を作ること、およびその状態のことで、一言で言えば心の健康のための所作です。実践すると脳の構造や機能にポジティブな影響をもたらすことが研究で示されています。

似た所作に瞑想がありますが、正確には異なります。実際に瞑想と同じようにマインドフルネスの状態を作るために坐禅を組むことはありますが、マインドフルネス=瞑想というわけではありません。瞑想はマインドフルネスという心の状態を作るための方法のひとつです。
瞑想を用いる座禅の目的は無になることです。一方で、マインドフルネスは自分の状態をあるがままに受け入れることが目的です。

また、”健康志向の高い人が好みそうなこと”というイメージからヨガやストレッチとも混同されますが、マインドフルネスは基本的には運動・動作を伴いません(運動ではないとされています)。座った状態でも寝転がった状態でもよく、もっと言えば集中できる状態であれば何か動作をしていてもいいといいます。心理的にも体力的にも抵抗なく気軽に取り組めるほどの手軽さは大きな魅力です。それから、瞑想や禅のような宗教的要素やスピリチュアルなイメージがないことも万人が受け入れられやすい点かもしれません。

そういうことから、マインドフルネスはいわゆる健康オタクだけでなく、ビジネスマンからも高い関心を集めているほどです。それどころか大人だけでなく、幼少期にもこれを行うといいと言う考えも出ており、アメリカ・ニューヨーク市では2022年に、幼稚園から高校までの全ての市内の公立学校で、毎日2〜5分間のマインドフルネス呼吸法を実践することを義務づけたほどです。この例に限らず世界では英国、カナダ、インド、オーストラリアなどの学校現場でも、マインドフルネスを取り入れる動きが活発化しています。

その効果がすごい

では、マインドフルネスを行うことでどのようなメリットがあるのでしょうか?
現段階ではマインドフルネスに関して決定的に確実な根拠がまだ出切ってはいないそうですが、世界的にこの効果に高い関心と興味がもたれ多くの研究がされていることは事実です。中でも特に効果が高いであろうと言われているものは次の通りです。

リフレッシュ効果

考え事の数を減らし一つのことだけに意識を集中すると雑念が消えていきます。すると気持ちがリセットされます。物事の優先順位も再認識でき、活力が湧きます。集中力や創造力が高まり、作業効率や生産性が向上します。
しかもなんど、休憩時などにたった5分するだけで、十分な効果が得られるそう!

自己肯定感の向上

自己肯定感とは、過去や現在の自分の”ありのまま”を積極的に評価できる感情のこと。例え自分がネガティブな気持ちを抱えている(いた)としても、そんな状態ごと自分を肯定できる気持ちです。この自己肯定がが低いと、こうじゃなきゃだめなのに…なんで私はこうなんだ…というような否定感情が生まれやすくなります。
マインドフルネスで自分の自然の状態を受け入れることで、そんな否定的な状況を”それはそれ””私は私”と受け入れることができるようになります。
自己肯定感が高まれば、ネガティブ心理やストレスが低減しメンタルが健康的になります。さらにそれは免疫力を高めることにもなり、強口健康的な心身が作られることにもなります。

感情の安定と社会適応力の向上

マインドフルネスを行うと脳の海馬という部位が活性化されるます。海馬は記憶に関する働きもするため、学習能力が向上することも期待されています。それだけでなく、感情の調節に関与しているため感情の安定をもたらしてくれると言われているんです。
感情の安定はポジティブ思考になりやすく、ポジティブ思考になれば自信が生まれます。自分に自信があることで心に余裕ができるため、社交力も上がり人間関係性なども円滑になります。

先述した通り学校教育でも幼少期にマインドフルネスを行うことは、人格形成に大きな影響があると言えます。特にトラウマや大きなストレスを経験した子どもや若者たちにとっては、感情の安定やストレスの軽減は大きなメリットになりそう。
大人だけでなく子供も、マインドフルネスするべきです💡

マインドフルネス…何すればいい?

オススメのマインドフルネス方法

現代を生きていれば考え事が多く、仮に空いた時間があっても次の瞬間にはすぐに何か別のことを考え始めたりしているものです。それに外部からの刺激が何かしらあり、何かに意識を一点集中するのは難しいですよね。坐禅などで行う瞑想は、座って静かに自分の呼吸を意識するだけ、とは言うものの実際に行ってみるといかにそれが続かないか、皆さんも経験があると思います。

そこでオススメなのが、終わりのある明確なちょっとした行動に意識すること。ありふれた日常の行動レベルのものもありますが、”終わりがあること”と”明確な動作”であることが大事です。例えば次のようなことです。

・飴を舐める(味わう)
・好きな(やさしい)音楽を聴く
・キャンドルの火を見つめる(燃え尽きるまで)
・お皿洗い

これらのことを行うだけなんですが、肝心なのはとにかくその最中はそのことだけに集中することです。そんなことでいいの!?と思ってしまいますが、それでも十分心が整います。

スーパー家事・皿洗い

皿洗いは特に、すすんでするべきスーパー家事です。
皿洗いに集中することは立派なマインドフルネスだとも言われますし、アメリカ・フロリダ州立大学の研究によれば、創造性が高まりストレスが低減するという結果が実際にあるほどです。
さらに皿洗いは効率的な脳活だとも言われています。というのも、皿洗いというのは計画性が必要な複数の作業工程をこなすため、それによって前頭葉(脳の司令塔とも呼ばれる最重要分野)が活性化されるからです。それから細かく手を使うため、血行がよくなり新鮮な空気と栄養が脳内に届けられます。そして、どの家事にも共通しますが、作業終了後に達成感を得られることも重要です。達成感があると脳の扁桃核という部位が刺激されます。この部位は、認知症発症の元になるところと考えられているため、つまりは皿洗いでこの部分が刺激され、認知症の予防になる、ということでもわけなんです。皿洗いとは、なんとも実は奥が深い家事だったんですね。

ちなみに、あの世界的実業家のビル•ゲイツ氏やジェフ•ベゾス氏も、毎晩皿洗いをしていると過去に明言しています。成功を目指すなら皿洗いするべき?!かもしれません。

家事が楽しい、という人は多くないかもしれませんが…せめて皿洗いはこれで楽しくなるかも?!

マインドフルネスを意識して、日常作業もうまく使いこなしましょう!!

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