逆境はレジリエンスで乗り越える

史上最高の大統領の知られざる過去

ある不幸だらけの男の話

ある男は、アメリカ・ケンタッキー州の貧しい家庭に生まれました。
貧しさゆえに、小学校に9ヶ月通ったところで退学してしまいました。

貧しい家庭に生まれ十分な勉強ができなかっただけでなく、彼の人生には身近な人の不幸が多く起こりました。
彼が9歳の時に母が亡くなり、19歳の時に姉が亡くなり、26歳の時に婚約者が亡くなり、さらに40歳で長男、53 歳で三男が亡くなってしまいました。

さらに雑貨店の経営を始めたものの事業に失敗して、その後17年間借金を返済する毎日を送りました。
やがて政治家になろうと決意したものの、選挙では7回も落選しました。

まさに不幸だらけの人生。
ですがこの人物はこんな不運にもめげず、のちの人生では歴史に名を残すほどの偉業を成し遂げます。
この人物、一体誰なんでしょう?

レジリエンスとは?

この不幸だらけの男、実はアメリカ史上最高の大統領と呼ばれる、エイブラハム・リンカーンです。

リンカーンの人生にはこれだけの災難と不幸があったって知っていましたか?
先述の通り、リンカーンは生い立ちからずっと運命に試練を与えられ続けました(なんなら最後も銃殺されてしまっていますし…)。
普通の人ならとっくにくじけていると思いますが、それでも彼は諦めなかった…すごいとしか言えませんよね。
そして51歳にしてようやく、アメリカ第16代大統領に就任したわけです。

この話を聞けば、リンカーンは逆境に打ち勝つ力が強かったことは簡単に想像できますよね。
このように、物理的や精神的な困難や危機に直面しても立ち直る力や不遇やハンデ、コンプレックスを乗り越える原動力のことを”レジリエンス”といいます
英語では”回復すること”を意味しますが、大二世界大戦中に自発的治癒力精神的回復力といった概念として使用されるようになったと言います。

1%のひらめきと99%の…?

天才エジソンの話

次に別の偉人の話を紹介します。
言わずと知れた史上指折りの天才発明家トーマス・エジソンです。

彼は生前数々の画期的な発明をしたことで知られていますが、とにかく本能のままに気になることやりたいことをやり抜く人でした。
ずば抜けた好奇心と研究への情熱を持ち頭の回転は早い一方、良識や道徳感が極端に低く社会に馴染めなかったと言われています。

例えば彼は子供の頃、人間も鳥のようにミミズを食べたら空を飛べるようになるのではないかと考えました。
そこでミミズをすり潰して薬と言って友達に飲ませ、結局病院送りにしてしまったことがあるそうです。
また別の時にはヘリウムガスは宙に浮くから、人間もヘリウムガスを吸い込めば風船のように空中に浮くかもと考えてヘリウムガスを友達に吸わせたこともあるそう。

小学校の時点ですでに手をつけられないほど自分の好奇心を抑えられない状況となり、先生にしつこく絡み疎まれしまい、最終的に先生に”お前の頭は腐っている”と言われ退学させられてしまいます。
そこで家で母に勉強を教わりながら12歳から働き始めますが、公開前の映画を無断で複製し映画館に売りつけたり(ちなみに儲けたそう)。
仕事で電気に興味を持ち、遊園地のゾウに電流の実験をしたところ殺してしまったり。

晩年は死者と交流できる通信機の開発にのめりこみ、その研究中に家事を起こし研究所を全焼したり。
ニュースが絶えなかったようです。

またエジソンは、意地が悪い性格だったとも言われています。
当時ライバルと言われたニコラ・テスラの成功を妬み、テスラが発明した交流電気のイメージを下げるために、処刑で使用される電気椅子の電流に交流を用いてイメージを下げようとしたりもしたそうです。

サイコパス?それとも…

ところでこういう良識や常識感が低く、極端に自分の興味以外に関心が低いタイプの人物をサイコパスと言います。
犯罪者のイメージが強いですが、日常にもこのタイプの人たちはごく少数ですがいて、その多くは社会的成功者だとも言われています。
エジソンも犯罪スレスレの行為は行なっていますが犯罪者ではなく社会的には成功をしているタイプです。
こういうタイプのサイコパス気質の人物は、俗に成功者サイコパスと呼ばれます。

ところがそんな彼が、発明家として有名になった後のインタビューでは、次のような会話をしていたと言われています。

質問者:どうしてこのような素晴らしい発明ができたのは、一体どうしてなんでしょうか?
エジソン:きっとまともに学校に行けなかったからですね

さらに別の機会では次のような受け応えもしています。

質問者:なぜ蓄音機を発明しようとしたのですか?
エジソン:僕は耳が悪いからです

(実際、エジソンは難聴だったそうです)

といったように、自分が他人と異なることを自覚していたどころか、そのことにコンプレックスさえ感じていたともとれる発言をしたそうです。
これが意味するのは、エジソンの成功の裏には、自身のコンプレックスやハンデを乗り越え、自分の運命を自分で切り開こうとする”レジリエンス”があったからかもしれない、ということ。

好奇心と才能だけがエジソンの原動力ではなかったのは、彼がのちに語る有名な言葉 “天才とは1%のひらめきと99%の努力である” という名言でもわかりますが、これを正しく言い換えるのであれば ”天才とは1%のひらめきと99%のレジリエンス” になるのかもしれません。

(なお、エジソンに関わる話は諸説あるため、今回の話も事実だと証明できる根拠はありませんが、語り継がれる事柄の一部として参考にして書いています。)

どんな逆境も乗り越える準備はできているか?

人には多かれ少なかれ、試練の時があります。
人にふりかかるその試練がどのくらい厳しいものか、他人にはわかりません。
中には諦めてその運命を受け入れる人もいますが、そうではなくその逆境を克服して、のちに歴史に名前を残すほどの人もいます。

リンカーンは”自分が決心した分だけ、幸せになれる”と言い残しています。
覚悟を決めて行動すればその分の望みは必ず叶う、と聞く者を鼓舞するメッセージとして解釈できる言葉です。

逆境をバネにして、行動を始めましょう🌱

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