お酒は結局、善か悪か?

結論…体へのメリットはゼロ

なんとなく言われてきた“お酒ってきっと体にいいよね”が、ついに完結。

酒は百薬の長…
少量であれば健康にいいよね…
寝つきをよくしてくれるしね…
こんな言葉を、聞いたことがありますよね。
なぜだかこうやって囁かれてきた“お酒って人類の味方伝説”、お酒好きによる淡い期待について、最新の科学的根拠を踏まえ実際はどうなのか、結論をお伝えします。

お酒の研究あれこれ

従来のお酒と健康に関する研究では被験者の飲酒以外の生活習慣や遺伝の要素は考慮されていませんでした。
“観察研究”というランダムに被験者を集めてお酒の影響のみを調べるようなやり方でした。
はっきり言えば、これまでの研究は不正確でした。
飲酒はするけどそれ以外の生活習慣が素晴らしく健康的な人や遺伝的にアルコール耐性がある人も調査対象に含まれていたので、正確性に欠けるわけです。
そのため従来の研究結果で“少量のお酒なら病気リスクは減少する可能性がある“という発表も多々され、それから適量ならお酒は体にいいと思われるようになりました。
(そりゃみんな飲みたいからそんなの聞いたら喜びますよね…)

その後も研究はされ続け、近年、従来の研究で曖昧だった部分を解消疾患の要因と遺伝子の関連性までを分析する新しい方法が試されるようになりました。
統計学者のロナルド・A・フィッシャーにより提唱されたメンデルランダム化解析という方法によるものです。
そしていよいよその正確性が極めて高い研究で行われた2022年の最新の研究結果が出たのです。

やっぱりお酒には注意

結論は、どんなに少量でも飲酒は体に悪い。
どんなに少量の飲酒でも死亡率やアルコール関連の病気発症率は上がってしまうんです。

つまり、とにかく、お酒を飲むのは体に悪いということ。
残念(?)ですがこれが現実…

ところで具体的に飲酒による体への悪影響ってなんでしょうか?
次にまとめますので、戒めとして覚えておいてください。
・肝臓への負担→肝硬変や脂肪肝、肝臓がんなどの発病リスクが上がります。
・心血管系への負担→脳卒中や心筋梗塞などの発病リスクが上がります。
・脳神経へのダメージ→脳の萎縮や炎症を招きます。
・老化→脱水作用により細胞がボロボロになる。
・睡眠の質が劣悪に→覚醒作用により深く眠りづらくなります
さらに過度な摂取は依存症のリスクも招き、依存症になれば日常生活全般に支障をきたします。

とは言っても、完全ゼロは難しい?そんなときは

とはいっても…心の健康にいい作用が全くないとは言い切れません。
飲酒を正当化しているわけではありませんが、社会生活や心の健康的に、必要なこともありますからね。
考え方次第ですが、友人との社交で幸福感や仕事の達成感、リラックス感が増すことについては、一概に悪いとも言えません。
そこでどうしてもお酒を飲むならこれだけは気をつけて欲しい!という注意を3つまとめました。

適量以内に抑える

日本の場合厚生労働省は節度ある適度な飲酒量を次のように設定しています
純アルコール量で1日20g=週140gまで。
これはビール(度数7%)なら350ml、チューハイ(度数5%)なら500ml、日本酒(度数15%)なら1合(180ml)相当量です。
飲むならこれ以下。でもできれば、もっと少量を意識しておきましょう!

空腹の状態で飲まない

空腹状態で飲むと血中アルコール濃度が急上昇してしまいます。
その結果、コントロール不能になり余計に飲みすぎてしまうことに。
まさに負の連鎖ですよね。
また、空腹状態での飲酒は胃に負担もよりかかります。
必ず先に何か食べてから飲みましょう。 

寝る前には飲まない

お酒には覚醒作用があるため、飲酒直後の睡眠の質は劣悪です
お酒が分解されるまで十分に時間をとってから眠りましょう!
アルコールの分解時間は飲酒量や体質により異なるので割愛しますが、目安は、酔いが覚めた感覚が実感できる程度です。
お酒を飲むと眠くなることをプラスに解釈する人がいますが、これは本当に要注意。
お酒を飲んで眠くなるのは”自然に寝る”ではなくて、麻酔をかけられている感覚に近いんです。

どうせなら美味しくいただく。心の栄養を養う

そして何より大事なのはこれ。
”どうせならありがたく美味しくいただく”ことです。
精神は肉体を上回る。
プラセボ効果でも実証されています。

特別な日のたまの晩酌や久々に会う友人との会話のお供に。
飲む時も味わって、久々に飲むと美味しいなあ!とか、これを飲んで明日も頑張るぞ!とか。
どうせ飲むならプラスの意識を持って飲みましょう。

最後に心からのメッセージを…

仮にあなたがお酒をどうしても飲みたいのではなくて”仕事や付き合いでどうしても飲まなくてはいけないのなら”。
勇気を出して断りましょう。

お酒市場は巨大化しすぎていて利害関係も大きすぎるため、お酒が社会からなくなることはもうないかもしれません。
でも社会の意識は確実に変わっていますよね。
ケンブリッジ大学主導の研究が約15年間かけ195の国・地域で23のリスクを検証した結果、健康への悪影響をゼロにするなら飲酒量をゼロにするべきと発表しました。
さらに、米国がん予防協会もお酒は飲まないのがベストとガイドラインを改訂しています。
こういった流れから、アルコールを反対する意識は高まるでしょう。

現時点での結論として、節度ある飲み方でたまに社交を楽しむ程度ならいいとは思います。
同時に、お酒が原因の社会的トラブルや病気が少しでも減ることを願っています。
リスクも完全に理解してから、行動を選択しましょう🌱

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