人間が人間であるために学ぶこと

この記事に書いてあること

STEAM教育

最近日本でも、STEAM教育をよく耳にするようになりました。STEAMとは Science(科学)・Technology(技術)・Engineering(工学)・Art(芸術)・Mathematics(数学)の頭文字を取っており、その要素を満遍なく取り入れ理系や文系といった枠組みにとらわれない人材育成を目指している教育のことです。
根底にはAIの存在があり、AIの登場により大きく変わる社会の中で、これまでとは違う問題の見極め方、解決できる力の育み方が着目されています。

特に面白そうなのは、そのArt(芸術)の分野です。なぜかというと、Artだけ少し特別だからです。
まず、STEAM教育が関心を集める前段階には数理的思考力を重視したSTEM教育がありました。STEM教育は2000年代からアメリカで始まっていますが、ここ数年の目覚ましいAI技術の革新が続く中でAIでは難しいとされる創造力を伸ばすために最近になってから”Art”が追加されたんです。つまり、Artこそ”人間力”が問われるからとも言えますよね。

AIが絵を描く、楽器を演奏するといった話題も確かに出てきてはいます。でも、いわゆる芸術に触れて”感性が豊かになる”というこの感覚は人間にしか備わっていない特別なものですから、人間として、突き詰めていきたいところですよね。とは言っても、STEAM教育におけるArtというのはいわゆる学校の授業で習う美術や音楽の範囲ではないんです。ダンスや演劇などの舞台芸術に写真、デザイン、3Dプリンタやグラフィックアートなどの視覚的芸術と、芸術性および創造性を育む幅広い分野が含まれているんです。加えて、教養の意味を持つリベラルアーツ(Liberal Arts)の意味も含まれているようで、つまりは人文科学、社会科学、自然科学といった分野までを網羅しているのがこのAなんです。
ただ知識的なことならもちろんAIが全て人間を上回りますよね。そこで大切なのは、そこに人間にしかできない創造力が加わること。これらの学術はただ読まれ理解されるだけならただの学術のまま。でもそこに人間が感性を与えることで、ようやくArtになるのではないかと思います。もはや、Artは芸術や文化を指すだけではなくではなく、”人間力”と訳した方が適切になるかもしれません

今後も社会はITを中心に進化をしていくことが間違いない中、人の感性や創造性を大事にしていこうというのは、当たり前とはいえ実は人間が人間らしくいるためにとてつもなく大事な意味がありそうです。

感性を磨くには、生涯学習

ところで、12月6日は”音の日”だそうです。1877年12月6日に、トーマス・エジソンによりフォノグラフという銀箔円筒式蓄音機で音を録音・再生する技術発明がされたことを機に、日本オーディオ協会が12月6日をオーディオの誕生日として”音の日”と定めました。ちなみにそのときに初めて録音・再生に成功した音は、童謡 “メリーさんのひつじ” だったそうです。

蓄音機発明の背景には、エジソンの永遠のライバルとされるグラハム・ベルとのしのぎを削った発明競争があったと伝えられていますよね。そしてベルといえば電話を開発しています。
当時、文字通りゼロからモノを創り出すために奮闘していた天才たちは、電話や蓄音機というもののイメージを描ける文系思考と、それを形にする理系思考のどちらをも兼ね備えていたわけですね。そしてさらに、人々に便利さや心の豊かさをもたらしたいという感性があったということですよね。STEAM教育が目指すのがまさに、こうした人材の育成なんだと思います。

すでに大人になってしまった自分が幼少期こうした教育が受けられなかったことが残念ではありますが、次の世代を担うこれからの子供達の今後に大きく期待しています。と同時に、シニア向けの学び直しの場も、今後確実に必要ですよね。

人には誰しも何かしらの才能があるわけですよね。実は水泳の才能がものすごくあるのに海無し県の山中で生まれ育ったばかりにその才能を開花させる機会がなかったとか。だからもしかしたら、これまで触れる機会がなかっただけで、実際やってみたらめちゃくちゃプログラミングが得意だっていうシニアとかもいるかもしれないってことですもんね。

STEAM教育とまではいかなくても、感性を磨くためには生涯何かを学び続けること。これが大事ですよね♪

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