800年前の怖い実験からわかること

人が生きるのに必要な物

非人道的なある実験

神聖ローマ帝国時代の皇帝フリードリヒ2世は”人類の言語の起源を確かめたい”という理由からある実験を行いました。
それは50人の新生児を集め専用の部屋で行われました。内容は、入浴や排泄の処理や食事など、最低限の世話はする一方で、世話役は赤ちゃんに対し目を見る•話しかける•笑いかける•あやすなどのいわゆる人間的行為を一切禁じてその乳児たちを育てると言うものでした。つまり生きるための最低限の世話はしても、スキンシップは一切とらないというものです。

結果は。3歳までに49人が死亡し、6歳に最後の1人が死亡しました。

こんな結果になるとは想定していなかったにしても、残酷な結果です。
当時であっても一般的にはありえない発想の実験だとは思いますが、実際に実施できたのは皇帝の絶対権力があったからだ…と思いきや、1944年にもアメリカで新生児を対象にした似たような人体実験は行われています(それらに限らず、人体実験は挙げればキリがありません。)。

この実験から分かったこと

過去の失敗に懲りず同じような実験を繰り返してしまう人間は本当に愚かで恐ろしいですが…一旦この人間の醜さのことは置いておきます。
さてでは、この実験から分かることはなんでしょうか?
生きる上での衛生や食事栄養の管理はしっかりされていたが、赤ちゃんたちは亡くなってしまった。と同時に、人間には人同士のスキンシップがなければ生きていけないのかもしれない…ということでもありますよね。
フリードリヒ2世は、人類の言語の起源を確かめるという目的を持ち、人と関わらない状態で育つと人間は何かを話すのか、などを調べたかったのかもしれません。でもその本来の目的からは結果多く逸れ、人と関わらない状態では人は育てない、という可能性が浮かび上がったんです。

そして現代では、人間が生きるには愛情や社会交流は必要で、思った以上にその影響は大きいということは明確になっています。
でも逆に、スキンシップがないことがどのように人を死にまで追い詰めてしまうのか?精神的に苦しんでしまうのは想像ができても、死んでしまうほどまでになってしまうのはなぜでしょうか?不思議に思う人もいると思います。

社交は水や空気と同じ

”ソロ活”ブームは複雑な現代人をまさに象徴する?

現代では、独りをあえて好んでそれを寂しいと感じない、という人もいますよね?独りでなんでも楽しめてしまう“ソロ活”という言葉も聞き慣れてきた時代です。
あるいは、部屋にひとりぼっちでいるのはイヤだけど、周りに人がいる中で独りでいるのは好き、という人もいたりします。例えば一人旅や、わざわざカフェで独りで読書する、という人です。それこそややこしい現代人の複雑性を表していますよね。

辞書では“孤独”を“精神的に頼れる人、心の通じ合う人がいなく、独りで寂しいこと”と定義していることが多いです。ですがこれだと、“寂しくなければ孤独ではない”という意味でもあるように聞こえますよねです。すると、近頃のソロ活を好む人たちは孤独ではないし、好んで独りになっているので誰かとスキンシップを取らなくてもいいんでしょうか?

結論から言って、”独りでいることが心から平気”という人は実際にはいません。人間は社会的動物なので、人間にとって人との関わりは呼吸や水と同じくらい必要であり、これは人間が自然に備え持つ性質なんです。

信頼の始まり…人が1人で生きられない理由

その本能的な証拠に”信頼”があります。

原始時代人々が大自然の中で集団生活をしていたころ、夜眠っている間に外敵に襲われるのを防ぐため”眠るグループ”と”見張りをするグループ”で、交代しながら眠るという習慣ができました。これにより、何かあれば見張り役が対処したり、眠っている人たちを起こしたりすることで全員が危険を回避することができていました
これが人類の“信頼”の始まりです

今日まで普通に人類史が続いていますが、それも人間同士が信頼していなければありえなかったこと。と同時に人間は他者と信頼し合うから生きていけて信頼できる人のいない状態では生きられないということでもあるのかもしれません。

長時間完全に孤独でいることのリスク

ここからはより生物学的な”人が1人では生きられない話”です。
人間が長時間コミュニケーションを取らない状態を続けるとストレスが増加します。ストレスが溜まり続けると悩みやすく落ち込みやすくなり、悪化すればうつ病や認知症を発症します。それに、体内の免疫力が下がるため病気にもかかりやすくなってしまいます。約800年前、フリードリヒ2世が行った実験で亡くなってしまった50名の赤ちゃんの死因も、免疫力の低下によるものだったのではないかと思います。

ちなみに、ストレスが溜まることにはもう一つリスクがあります。まず、“ストレスを溜める”というのは“我慢をする”ということでもあります。我慢を続けて、感情や欲求を抑制しすぎると、反動でギャンブルやお酒など依存症のリスクがある行動に走ってしまいがちになります。ひとたび何かしらの依存症に陥れば、日常生活はもちろん、そこから心身を蝕むことにもなりかねません。

最近では、ほんの数年前には聞きもしなかったような依存症が増えていますよね。これもやっぱり、コミュニケーション不足による現代病ということなんです。
▶️依存症に関する記事はこちら【一寸先の依存症】

と、暗い話をしましたが、そんなリスクも解決できてしまい、さらに人生を好転させることのできる行動とは何?というのもお伝えします。

自然治癒力を高めよう

自然治癒力こそが最良の医者である

”自然治癒力こそが最良の医者である。”

これは古代ギリシャの医学者ヒポクラテスの言葉です。自然治癒力とは人間の体に備わっている病気や怪我を治癒する力のことです。細胞や機能の働きによるもので、出血を止める血小板やがん細胞を攻撃するナチュラルキラー細胞などが代表的です。ただ問題は、歳をとると免疫力が下がるため自然治癒力も低くなること。だから普段から自然治癒力を高める意識を持つことが大事なんです。一説によると免疫力のピークは20代で、40代にもなればピーク時の半分ほどにまで減ってしまうとか。

免疫力を低下させないためには、適切な食事運動をして、良質な睡眠を取ること。それから、喫煙や飲酒などの健康に悪影響を与える習慣を除くといった基本的な生活改善はもちろんのことです。ですが、そればかりになりあともう1つ、大切な要素を意識することを忘れてしまう人も少なくありません。そのもう1つの要素とは、心のメンテナンスです。心に負担のかかる代表的な存在が、ストレスです。やはりストレスは溜めず、発散させるべきなんです。
▶︎自然治癒力に関しての記事はこちら【自然治癒力を高めるには】

声を出す、会話する、そして…

例えば、声を出すこと。こんな些細なことでもいいんです。
声を出すと横隔膜が収縮し内臓が刺激され血流が良くなり、新陳代謝も活性化されます。これが体に好影響を与えて気持ちは前向きになっていくとされています。

そこに相手がいて気持ちの交流を確認できるならもちろんなおよしです。心身に好影響が出るのに十分な交流は、例えばカフェの店員さんとの”これください””かしこまりました”でも十分なんだそうです。寂しさや暇を埋めるのにネットを見続けるのは最もよくないことで、とにかく買い物でもなんでもいいから、外に出て形式的なやり取りでもいいから声を出すことが大事なんですね。

独りカラオケや独りテーマパークなどを好む現代の複雑なソロ活愛好家も、その行動の中で最低限どこかで店員さんなどには接する機会がありますから、もしかすると心のどこかで自然にこれを求めているのかもしれません。

またもちろん、誰かと会話ができるのであればそれに越したことはありません。“会話”は動物の中でも人間にしかない特別な能力です。人間として生まれ生きる中で、ぜひその人間としての醍醐味を味わいつつ、楽しむべきものです。
▶︎会話に関する記事はこちら【会話は人を幸せにする】

そしてなんと言っても大事なのは、笑うことです。
ポジティブ感情は体内の免疫システム全体に良い影響を与えると考えられています。
たくさん社交して笑いましょう!

迷わず行動しよう

現代社会では、リモート勤務化や高齢化、未婚・独身者も増えて、日常会話機会が減少する人は本当に多いようです。もしも今、あなたが日常的に話すことのできる家族・パートナー・友人がいるのであれば、その存在には無条件で感謝するべきです。また現状そうした人がいない場合でも、落ち込む必要はありません。人は人を求め合うものですから、ためらわず外に出て行動をすればいいんです。外に出ないでいることこそ、最も問題です。

求めて行動するだけで、すぐにスキンシップや社会交流溢れる人生に好転しますよ👍

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