本当は3倍必要だった?! “食のための水”のこと

この記事に書いてあること

食のための水

“バーチャルウォーター”を知らなければ、ぜひここで覚えてください。
バーチャルウォーターとは、食料を輸入している国がもしもその輸入食料をすべて自国で生産していた場合、一体どのくらいの水の量を使っていたことになるのか?その推計量のことです。
ロンドン大学教授のアンソニー・アラン氏が提唱した概念で、現在世界中で注目され始めています。 

食料を生産するのには大量の水が必要です。
トウモロコシ1kgの生産には灌漑用水として1,800L。
牛はトウモロコシなどの穀物を食べて育つため、牛肉1kg の生産には20,000Lもの水が必要とされます。
輸入をすればその分、自国の水を使わないで済んでいるわけです。 

日本国内で食料生産のために使われる水の量は2017年時点で67億m3とも言われています。
25mプール111.6万個分です。
(農林水産省による推計で、日本国内の農業全体で食糧作物の灌漑や畜産に関連する水の使用も含めた量です。)
一方、バーチャルウォーターはというと。
2005年に日本に輸入された食料分のバーチャルウォーターは推定約800億m3です。
(出典:東京大学生産技術研究所)
日本が自国生産した食料に使用する量の約3倍ですよね。
そして日本国内のあらゆる水の年間合計使用量とほぼ同量です。
これだけの量の水を、日本は食品の輸入により使わずに済んでいたことになるんですね。
ちなみに日本の食品自給率は4割ですので、6割を輸入に頼っています。

これからどうする?

日本では農業人口が減少中で食料生産が困難になりますが、世界では人口が爆発的に増加中。
つまり今後日本は食料を輸入するのが難しくなります
では自給率を上げたとして、その分の水資源が日本にあるのか?それは不明です。 
そもそも日本は水資源豊かと言われていますが課題は少なくありません
地域によっては水不足もあるし工業排水や農薬、肥料の流出による水質汚染も懸念されています。

だからこそ普段から、意識をしておきたいことがあります。
食品を選択するポイントを変えてみましょう。
地域に適した食材や持続可能な生産方法のものを選ぶようにすること🌱
体にいいものを食べたい、その気持ちはわかりますが、最終的に巡り巡って自然にいい=体にいいというサイクルになると心から信じています! 

そして資源は有限という当たり前の事実を再認識しましょう。
食品一つに水だけでなく他にも多様な資源が使われています。
資源をすべて大切にする、その意識を持って消費行動を取りたいですね🌱

日本の水道水についての詳細は、こちらの投稿【キレイなのに安い日本の水道水の未来】もご覧ください。

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