“引き寄せの法則”を読み解いてみたら、あれもこれも“脳のアルゴリズム”だった。

“願えば叶う”って本当?

願いが叶う仕組みはあるのか?

“欲しいものや叶えたい理想を強く心で願えば、それは実現する…”
“願えば叶う…”

誰もが人生のどこかで最低一度は、このような言葉を聞いたことがあると思います。これをどう受け止めるかはその人の性格や信じるもの次第で変わると思いますが、一般的にこの考えは広く容認されていますよね。それどころか困っているときは、“願えばきっと叶う”と想うことで精神的に強くもなれますし、心の拠り所にもなるんじゃないでしょうか?

一方で”ただ想う”ばかりではなく、人生を変えるような奇跡のようなものじゃなくてももっと日常的な規模で “欲しかったものが手に入った”ぐらいのことであれば、誰にだって経験はあるはずです。憧れていた彼氏彼女ができたり、仕事で昇進したり。いつも必ず願った通りにいかないとしても、願っていたことが現実に叶うことはそこまで不思議なことではありません。
だからでしょうか? 身近に割あるから、そんな些細な願いが一つ叶ったからといって、誰もその経緯や因果関係について深く受け止めて考えたりしませんよね…。たまたまそうなっただけだろうとか、タイミング的に運がよかっただけだろうと思うくらいのはずです。

ですが、もしも“願うからそれが叶う”ということにちゃんとした過程や、なるべくしてなる理由があるんだとしたら、それがどういうものなのか気になりませんか? 全部が全部この言葉の通りになるわけではないにしても、普遍的で当然のように口にもされるほどの概念ですから、多少なりとも何かその根拠でもあるかも? と気になります。そこで今回は“願うと叶う”の原理を探ってみました。
すると思った以上に、“願えば叶う”の裏付けがたくさんあったんです…!

理由は説明できないけどきっとある…スピリチュアル系

始めに紹介するのは、根拠が明確ではなく確定的な内容ではないものの、影響力があり多くの人に支持されている法則や事象です。中には、脳の習性と合わせることでなんとか理屈にできるものもありますが、基本的にはスピリチュアルと認識されるものです。むしろ、少し不思議なくらいの方がちょうどいいような気さえするかもしれまれん。

引き寄せの法則

スピリチュアルなニュアンスもある有名な法則

まず、有名な法則に“引き寄せの法則(英語では Law of Attraction)”があります。
1800年代、ニューソート(New Thought=新しい考え)という思想を持つキリスト教の異端宗派によりアメリカで発祥したとされています。特に有名になったきっかけとしては、オーストラリア人のTVプロデューサーであるロンダ・バーン氏が”The Secret”という書籍でこの法則のことを書いたこと。この書籍が世界的にヒットしたことで広く認知されるようになりました。

ちょっと神秘的でスピリチュアルな響きを含みさらに宗教的な背景もあるので、人によっては近寄り難く感じる人もいるかもしれません。でも、日本にだって古くから似た宗教由来の教訓があります。それは”念ずれば通ず”という言い回し。念じる=心に強く想うことが、理想に通じる道を切り開いてくれるという意味です。この言葉は仏教の教えが基だそうですから、仏教を信仰する多数の国や地域でも、この考えは広く信じられているということになりますね。それより決して何か特定の宗教や思想に偏った考えではなくて、もっと広く一般的なのかもしれません。

引き寄せの法則の科学的な研究

ところで、この引き寄せの法則の信仰者により、引き寄せの法則を科学的に解明しようとする試みはこれまでにも多々あったようです。物事には原子物質が存在していて、それに思考を刻みつけることで形が変わり実現化するとか。ミクロの粒子の持つ波動の性質を利用すると物事を操作できるとか。こうした研究に何かしらの要素は関係しているかもしれませんが、結局明確な定義は確定していません

精神的な範囲を抜け出せてはいない印象ですが、それでもこの法則を支持する人たちの中には社会的に成功を収めている世界的有名人たちも多くいるため、この系統の概念の中では特に影響力がある法則と言えます。

シンクロニシティ

映画やドラマにも使われるちょっと不思議な体験

シンクロニシティは“引き寄せの法則”と同レベルに認知度が高く、科学的には説明し難いものの一定の割合で発生し、多くの人が一生で1度は経験している事象と言えます。

どんなものかというと、一見すると全く関係のなさそうなある複数のできごとが同時に起きて、結果的にそれらに因果関係が生じたり意味を成したりすることです。スイスの分析心理学の創始者カール・グスタフ・ユングが1952年に発表した理論です。日本語ではよく“共時性”や“同時性”と訳されます。

これは、予知夢や第六感、日本で昔から言う“虫の知らせ”(なんとなく良くないことが起こりそうな予感のこと)に近い感覚だと言えます。例えば昔友達と旅行に行った時の写真がふと出てきてふと懐かしんでいたら、その同じ頃、その友達から連絡がきたとか。ちょっと不吉ですが、花瓶が割れたらちょうどその頃大切な人が亡くなった…とか。こんな風に単なる偶然のようにも思えるものの、理屈では説明できない感覚によって何かを察したり、予感を的中させたりすることって往々にしてありますよね。これがシンクロニシティです。

物事には全てに波動があり、その周波数が近いものほどお互いを引き寄せる、と言います。
これもあくまでもスピリチュアルの域を越えられない現象ではありますが、強引に脳の習性に当てはめて言うことはできなくはありません。脳は常に自分が関心を持っていることを気にして潜在意識的にその情報を集めてくれていますから、関心がなければ気にも留めないようなささいなことにもいつも先に脳は気づいています。そして時間が経ち、後になってようやく意識が脳に追いつきその意味を理解する、ということになります。

”セレンディピティ”はロマンチックでもっとハッピー

シンクロニシティはセレンディピティの概念にも似ています。
セレンディピティは、偶然に素敵なものに出会ったり、予想外にある物事を発見したりする事。何かを探している時に、探しているものとは別の価値あるものを偶然見つける事です。
基本的に対象がポジティブなものなので、恋愛映画などでもよく使われるテーマです。ふとした偶然をきっかけに幸運を掴み取るといった感じです。

セレンディピティの語源はペルシャの昔話”セレンディップの3人の王子”と言われています。18世紀の英国人の文筆家のホレス・ウォルポール伯爵が、知人への手紙の中でセレンディップの3人の王子たちの話を基に造語として使用したことにより、セレンディピティという言葉が生まれたといいます。ちなみにセレンディップは5世紀頃に現在のスリランカに存在した王国の名前です。

セレンディップの3人の王子がどんな話かを簡単にまとめると次の通り。
昔、セレンディップ王国に3人の有能な王子がいました。王様は彼らの成長のために一層の成長を促すために彼らを旅に出します。そして3人は旅の行く先々で降りかかってくる課題を解決します。
旅を終え王国に戻ってきた王子たちはその後、自分たちの国を統治する立場になり、旅の経験をもとにまた問題を解決する
…”
という話。つまり旅で出た経験が“偶然”にその課題解決に役立つ、という解釈につながっています。
この話時代はあんまりロマンチックじゃないですけどね。笑

説明可能な脳の働き

ここからはいよいよ、脳科学的にも心理学的に根拠が示されている作用のお話です。シンクロニシティの説明でも軽く触れたように、キーワードは“脳”です。先に結論を言うとすれば、“引き寄せの法則”を含めて、願えば叶うという現象は、理想を叶えたり欲しいものを手に入れたりしようとするときに働く“脳の作用”のことと言えます。

ただしその脳の働きは一定ではなく、いくつかの要素があります。
これからその働きを1つずつ紹介していきますので、それぞれを理解してうまく利用してみましょう。効率的に理想を実現できるようになるかもしれません!

説明可能…脳のクセ系

ホメオスタシスと現状維持バイアス

茹でガエルの法則

カエルをいきなり熱湯に入れたらすぐに逃げ出しますよね。では、常温水に入れてから徐々に水温を上げ続けたらどうなるでしょう? 温まっていく水が気持ちよく、カエルは浸かったままで逃げ出すタイミングを失い、いつの間にか茹で上がってしまうんです。これは茹でガエルの法則と呼ばれます。

これを脳科学的に言い換えると、人間が自然に備え持つ“ホメオスタシス”です。ホメオスタシスとは、脳がとにかく生命の維持、つまり“死なないこと”を最優先して本能的に働く恒常性機能のことです。死なないように、安全でるために、よくも悪くも変化を好まず現状のままでいようとする習性が脳にはあります。“変化が起きる=生命の危険度が上がる”と脳が認識してしまうため、脳は現状を変えることに抵抗を持っています。

現状維持バイアス

何か新しいことを始めようとしているのに続かないのは、新しいことに挑戦する前の状態を維持しようとして脳が無意識に働いてしまうからです。脳が現状を維持したがる、という解釈から、こういう状態を現状維持バイアスとも言います。

ここで肝心なのは、自分が今いる環境がよくない状況であっても、長いことその状態であればそれを“安全だ”と脳は勘違いしてしまうことです。自分が今働いている職場は絶対にブラックだと確信している転職する一歩がなかなか踏み出せない、というようなことが往々にしてあるのは、転職することの方が危険かもしれないと脳が思ってしまっていて、変化をさせないようにしているからでもあるんです。

この習性を使うことで脳を味方につけることができることにお気づきでしょうか? なりたい理想像こそが“通常モード”なんだ、と自分に強く思い込ませること。そして行動を始めることで、まもなくして脳は“通常モード”を書き換えてその方向に自然に自分を導いてくれるようになるからです。

脳の”可塑性”

なんでも小さく始めよう

さて、脳は変化をしたがらないと説明しましたが、それは主に極端な変化の場合です。実は脳には“可塑性”という面白い性質があるので、覚えておいてもらいたいです。可塑性とは、大きな変化は受け入れない一方、小さな変化なら受け入れしまうという性質のこと。

例えば、朝ランを習慣化したいと思ったとき、わざわざ新しい靴を買って普段より1時間も早く起きて…とついつい気合を入れてしまいますが、そういう極端な行動は逆に脳に嫌がられてしまうんです。

いきなり大きく変えようとしてはダメ。まずは普段よりちょっとでいいから早く起きて、持っている靴の中で一番動きやすい物を履き近所を散歩する。このくらいから始めればいいんです。何か始める前に計画ばかり立てたり、形にこだわったりすると脳に拒絶されます。新しいことをいきなり完璧に行おうとするほど、初期段階でつまづきます。いざそれを実行しようとしても、脳がなかなかその通りに動いてくれないからです。

だからこそこの“可塑性”を思い出して、とにかくまずは小さく小さく始めること。そしたら脳はそれを受け入れ、新しく始めたことを習慣化しようとしてくれます。変わりたいと想うなら、何かを新しく始めるなら、なんでも小さく始めましょう!

潜在意識(無意識)で働く…脳のソロパフォーマンス系

カラーバス効果

脳が情報を集めてくれている

カラーバス効果とは”ある特定の物事を意識すると、それに関する情報が飛び込んでくるようになる”という心理効果です。バスは乗り物のバス(BUS)ではなくて、浴びる方の“Bath”なので、Color Bathとは、”色を浴びる”という意味。

例えばあなたが“今日のラッキーカラー”の情報を聞いたとします。それが赤だったとすると、その日1日身の回りの赤いものが目に留まるようになります。でも別に赤いものが世の中に突然増えたわけではありませんよね。それまでは見過ごしていたかなんとも思っていなかったような赤いものにまで、意識がいくようになるわけです。もちろん対象は色に限りません。欲しいブランドのものや新しいスマホなど、なんでも同じように、それらを意識したとたんにそれが目の前に現れるようになります。

カラーバス効果がある理由

なぜでしょうか?
それは人間の脳に、ある特定の事柄を意識していると視覚や聴覚から得られた情報の中からその事柄に関する情報を選んで認識するという性質があるからです。
人は生まれてから死ぬまで膨大な量の視覚や聴覚の情報を浴びています。さすがの脳もそのすべての情報を一つ一つ処理はしきれません。そのため、無意識のうちに必要な情報のみを収集しているんです。例えば周囲が賑やかな空間の中でも人は会話をすることができますが、これは雑音の中から相手の会話の声のみを選んで認識しているからです。

つまりはこの性質を利用すれば、意図的に欲しい情報を集めることが可能になるわけですよね。しかもただ求めるもののことを心で強く想うだけで、です。

歴史も動かせるほどの効果

古代ギリシャの科学者アルキメデスに、カラーバス効果が関わる話があります。
あるときアルキメデスは、当時の王様から”王冠が純金でできているかを調べろ”と命令を受け、そのためにはどのような方法があるのか頭を悩ませていました。
そんな中、あるとき入ったお風呂で浴槽からこぼれ落ちる湯を見て”水を満たした容器に王冠と同量の金を交互に入れ、溢れた水の量を比べる”という方法を思いつきます。これが有名な”アルキメデスの原理”を思いついたきっかけと言われています。

ただここで注目すべきなのは、浴槽から水がこぼれ落ちること自体には、何も特別性はないことです。これがヒントになったのは、アルキメデスが王様から課題を受けて、そのことを考えながらお風呂に入ったからです。彼の頭の中が王冠が金かどうかを調べるための方法を考えることでいっぱいになっていたからこそ、こんな日常的なことにも意識が向き、役立つ情報として認識することができたと言えます。もしアルキメデスが王様から課題を与えられていなかったら、溢れる水を見ても何も感じなかったかもしれません。まさに、カラーバス効果です。

これ以外にも、ニュートンがリンゴが木から落ちるのを見て万有引力をひらめいたとなど、歴史に残るような発見や発明のきっかけの多くはカラーバス効果によるものだと考えられています。

もしもあなたに叶えたい理想や解決したい課題があるのなら、とにかくそのことで頭をパンパンにしてみるといいかもしれません。そうともなれば必要な情報に意識が向くように、脳がそれを最優先に設定してくれます。

直感

あなどれない…直感が当たる確率がすごい

もっともっと身近な潜在意識中脳の働きもあります。それは“直感”です。
イスラエルのテルアビブ大学が2011年に行った研究によると、直感が当たる確率は90%でした。

思った以上に当たるな!と思いましたか?
なぜこんなに当たるかと言うと、直感が湧くに当たり、脳が潜在意識中で記憶や経験から物事を選び出してくれているからです。つまり自分は全然知らないことだと思っていても、実は脳が引き出しから過去の関連することを見つけ出してくれているということです。
直感は単なる勘だと思っていた人が大半だと思いますが、実はそんなレベルではないんですね。カラーバス効果にも共通する、脳の無意識中の働きです。

信じない人が多い残念な事実

でもせっかくの直感を信じる人は半分程度だそうです。皆さんにも経験があると思いますが、例えば2択問題の答えがAかBかで、最初はAが正解だ、と思ったのにあとで答えをBに変えてしまう…そして案の定答えはA、というオチです。
せっかく直感は90%も当たるというのに、それを信じないうえに余計な情報や状況に惑わされて答えを変えてしまうんですから、損ですよね。

直感と、それを導き出した自分を信じれば、理想以上叶うかもしれませんね。あなたはもう、直感を信じますね?

ホーソン効果とピグマリオン効果

他人を巻き込む応援の力

脳は単独でも優秀ですが、誰かを巻き込みタッグを組むとさらに強力な引き寄せ(願いを叶える力)を発揮します。

スポーツ選手やミュージシャンは何万人もの観衆の前でパフォーマンスすることがありますよね。そんな一般人には想像できない緊張感やプレッシャーもある中で、当人たちは決まって、“皆さんの応援があるから頑張れます”と言います。これはファンに向けたリップサービスにも聞こえなくもないですが、実は“応援の力によりいい動きができる”というのは事実で、人は他者から注目を浴びると好成果を出しやすいという心理効果があるんです。日本の民間企業によるある調査でも、スポーツ選手は競技中に観客からの応援があることでパフォーマンスが20%向上することが証明されています。

このいわゆる“応援”の力の代表的なものが、ホーソン効果です。アメリカの民間製造企業(ウェスタン・エレクトリック社)で行われた実験が由来の効果です。
また似たものにピグマリオン効果というのもあります。アメリカの教育心理学者ロバート・ローゼンタールが提唱したもので、その名前はギリシャ神話の登場人物に由来します。
この2つの効果はほぼ同じ解釈といえます。ホーソン効果は他者からの“注目”や“関心”によって生産性が上がり、ピグマリオン効果は他者から“期待”によって成績が上がる、2つは微妙に異なりますがどちらの効果も、“応援されている”という認識が結果に良い影響を及ぼす点で共通しています。

応援が溢れる作れる環境を作ること

つまり自分の夢を公言し心から応援してくれる人を周囲に作るといいということですが、同時に、これまでのように周囲に宣言するという常套手段だけじゃ足りないということでもあります。応援されるだけで効果が出る、という甘いものではないんですね。例えば禁煙するとかダイエットするとかを、家族や友人に言うとするじゃないですか。でもその人が何回試しても自制心が低く途中で挫折するような人だったら?周囲は段々とどうせまた失敗するでしょう、と思って応援なんてしてくれなくなりますよね。だから、ちゃんと公言して応援をしてもらおうと想うのであれば、自分も誠意を見せないとダメ
本当にあなたならできる!と応援してもらえるようにならないといけません。普段からちゃんと行動をする人でいましょう!

それからこの効果は、教える側とか人を使う立場側にも使えます。口先だけのしょうもない上司が軽々しく期待してるよ、と言う場面がよくありますが、その部下や後輩をちゃんと心からフォローしていないといけませんよね。

応援する側も応援される側もよきパートナーや家族・友人を持つこと。そして健全な応援の溢れる環境を作ることが大事です。

脳のアルゴリズムを信じて

強く願うことが現実を引き寄せてくれるということは、説明はできない偶然や奇跡に近いものももちろんあります。でも、一定ではないけれど性質の異なる脳の働きが広義でまとまっていることでもありました。そしてその脳の働きの場合、ほとんどは潜在意識中に無意識に働いてくれているものでした。自分でも意識できていないところで、脳が自分にとって大事な情報や興味のある情報を自分の経験や興味嗜好、夢や理想から選び出し、目の前に集めてくれている。これってまさに、アルゴリズム

自分の意識では気づけていないけど、もちろん脳は自分のものですから、願いを叶える=自分を信じる、ということになるのかとも思います。道理で本能に刻み込まれているわけですね。

いつも理想像(ビジョン)を思い描き強く求めたら、あとは脳のアルゴリズムを信じましょう。日常に溢れるサインを脳が選んでくれますから、あとはとにかく行動です。

“引き寄せの法則”を読み解いてみたら、あれもこれも“脳のアルゴリズム”だった。” に対して1件のコメントがあります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です