思い込みをリセットしたら…思考の偏りとブロックを外す方法

人生を何倍も損してしまう!思い込みがいかに邪魔をしているか

思い込みを外せば、人生は好転する

普段、こんな風に思うことはありませんか?
“学歴が高い人は優秀”
“背が高い男性はバスケットボールをしている”
“仕事で単身赴任中なのは旦那さんまたはお父さん”

ごく自然にそういうイメージが浮かぶかもしれませんが、これって全て、決まった事ではありませんよね。全部、生きてきた中で身につけてきた経験知識からの“思い込み”です。

この程度の思い込みであれば、他愛もない話かもしれません。でも、ささいに聞こえる小さな思い込みが積み重なり後々に大きくなって人生に影響を与え始めることだってありえます。
そこで今回は、思い込みや固定概念がどのように人生に影響を与えるか、そしてそれらを解除していくことでどれだけポジティブな変化が訪れるかについてお話します。思い込みや固定概念に気づきそのブロックを外す、思考改善の典型例。これをすることでいかに人生が理想の方向に向かっていくか、一緒に考えてみましょう!

インドの子象の話

インドの象飼いは、象に赤ちゃんが生まれるとその子象の足をロープで杭につなぎます。子象には杭が抜けないので、逃げ出すことはできません。象は成長するにつれ力をつけていき、ゆくゆくはロープを杭ごと引き抜くなんてたやすいほどになるんですが、大人になってもそれをしようとしません
なぜなら、子象は小さい頃から何度も杭を抜こうとしたけどそれができなかったので、自分にはその杭は抜けないと思ってしまっているからです。そして、そのまま小さな杭にロープでつながれたままの状態を続けてしまうわけです。

せっかくその力があるのに、自分にはそれができないと思い込み、行動すら起こす気にならないのは、もったいないですよ。どうせ無理だ、きっとダメだ、私はこれが苦手だというような物事があると思っている限り、それを変えることはできません。

この象のように、過去の思い込みや経験で、無理だと思ってしまっていることってよくあるものです。
そこまで極端に大きな影響の出るものはないにしても、日常的に小さな思い込みは誰もがしてしまっていると思います。場合によっては、それが積み重なれば後々に人生を変えるような出来事になるかもしれません。

思い込みに気づけてリセットできれば、人生はもっともっと好転する可能性がありますよね。好んでするわけでもないのに、なぜか頭に張り付いている思い込み。これはいったい、みんな、どこで身につけているんでしょうか?

その思い込みはどこで身につけ、どうしたら思い込みをなくせるか?

では次に、その思い込みはどこで身につけ、どうしたらなくせるか?についてお話をしていきたいと思います。僕たちが生きている中で、どんなとき思い込みが思考にしみついてしまうか? そしてその思い込みをなくすにはどうしたらいいか?

まずは思い込みはどう生まれるかですが、それは具体的には、次のようなときです。
1) 生まれ育った環境や家族から影響を受ける
2) 社会生活を過ごす中で一定のルールや考えに染まってしまう
3) 恐怖や危険といったネガティブ感情から生まれる

それでは順に、見ていきましょう!

1) 生まれ育った環境や家族からの影響を受ける

幼少期の環境が与える影響は大きい

皆さん一度はどこかで、幼少期の環境が後の人生に大きく影響すると言う話を聞いたことがあると思います。
日本でも昔から3つ子の魂100まで、と言い、子供が3歳になるまでに身につけた習慣や影響がその子になる、ということを言っていますよね。
皆さんご自身も、子供の頃に親に言われり怖い思いをしたりしたことが今も自分に影響しているということが多少はあるんじゃないでしょうか?

幼少期の影響度がわかる話に、カナダ出身の著名な精神科医エリック・バーン氏が提唱した人生脚本という説があります。この説によれば、人は6歳になる頃までにそれまでの環境をベースに自分が残りの人生の脚本を書き上げているそうです。つまり人は幼少期のうちに、自分自身がどういう人間として生きるか、自分のその後の人生の方向性は決めてしまい、その後は無意識的にその脚本通りに現実を進めようとしてしまうということ。

先に話した子象の話もそうですが、思っている以上に幼少期、生まれ育った環境や家族から受けた影響は大きいもので、それによって生まれた先入観や固定概念は、自身の性格や人間性にも大きく関わっています。そのため、これらを剥がすにはしっかり自分を内側から見つめ直す必要があります。

自己肯定感を養い自分を内側から見つめ直す

大事なのは、自分自身を知ることです。生まれ育ちの環境による思い込みは、人間性の構築にも大きく影響しているため、これを取り除くには、自分を内側からしっかり理解する必要があります。

ポイントになるのは自己肯定感です。
自己肯定感とは、過去や現在の“ありのまま”を捉え受け入れることができる感覚。例え自分がネガティブな気持ちを抱えているとしても、そんな状態ごと自分を肯定できることです。英語ではSELF AFFIRMATIONといい、日本語でもそのままセルフアファーメーションと呼ぶこともあります。自己肯定感を養うことが精神的な健康にもつながるため、人間関係など社交生活で悩みの多い現代人は必ず意識するべきと言われています。

つまりは、いかにありのままの自分を客観視できるかどうかです。自分を過信せず、間違っていることもあるということを自覚することが大事。間違いは誰にでもあるのと同じように、思い込みや固定概念を持つことは誰にでもあることだ、だから別にそれが悪いことではない、という広い心で捉えることです。そうすると、物事を広く公平に見ることができるんですね。それに、失敗や困難も成長のチャンスと捉え、前向きな態度で取り組めるようになるため、理想の自分への一歩となります。

▶︎自己肯定感についてはこちらの記事【自分を信じて愛してる??】をご覧ください

2) 社会生活を過ごす中で一定のルールや考えに染まってしまう

“常識”という“偏見”

大人になってから社会に出て、自分が“こうだ”と思うか思わないかに関わらず他者の行動や意見に従ってしまうことも、固定概念を作り出してしまう大きな要因です。
特定の行動や信念が社会的に受け入れられていると感じると、その行動や信念に染まりやすくなります。一般的に、“常識”と呼ばれるものがそうで、多かれ少なかれ、正しいかどうかは置いておき、一定数の集まりがあれば大多数の考えが基準になってしまいそれが“正しい”とか“こうあるべきだ”という考え方になってしまうからです。特に不確かな状況下などでは、他者の意見が自分の判断を形成するのに影響を与えることがあります。

こうした、社会生活で身についた常識や、恐怖や不安の感情から生まれた固定概念といった思い込みは、相当なブラック企業で働き続けて洗脳されたり、理性を失うほどのパワハラ、モラハラを受け心を病んだりするほどのものでなければ、案外思った以上に簡単な工程で癖を取り除けます
それは、普段から常識を疑い、物事を客観的に考える癖をつけること。一方的なものの見方しかできない人は、自分が気づいていないところであらゆることに思考が偏っていることがあります。

試してみて!思考の偏りチェック

次の画像では、女性が財布を手に持っていますよね。
この時この女性は、何をしようとしているかを想像してみてください。

女性が財布を持っている??

さあどうでしょうか。
この画像を見てどういう画像が思いつくか。答えが1つしか出てこない、または一つも浮かばない人は、物事の思考の幅がとても狭い可能性があります。

皆さんは、何が思い浮かびましたか?
・所持金を確認し、欲しいものを想像している…
・これから夕ご飯を作るためにスーパーに行くのに、なんの食材を買おうか考えている…

この辺りが思い浮かびやすかったかと思います。女性がエプロンをしているから、“主婦が自分の財布を持っているイメージ”が頭に浮かんでしまったんですね。
でも、もしかするとこうかもしれません。
・落ちていた財布を拾ったけど、交番に届けようか迷っている…
はたまた、こんなのもありじゃないでしょうか?
・この財布があまり好きではないので、新しい財布を買おうとしている…

普段から、日常で起こっていることに対して、こんな風に意識を向けて想像を膨らませてみると、自分の思考の幅を意識できると思います。ある種脳トレのようなものですね。
自分が苦手だったり嫌いだったりすることにあえてチャレンジすることや、新鮮な経験をすることも大事です。新しい発見に気づくことも、思考の幅を広げる助けになります。そうすれば、思い込みを外すことによりマイナスがゼロになるだけでなく、想像力が養われゼロがプラスになることまで期待できるようになります。

3) 恐怖や危険といったネガティブ感情から生まれる

行動の80%は恐怖が原動力

感情は人の心理や記憶に様々な影響を及しますが、特に恐怖や危険といったネガティブな感情は思い込みや固定概念の形成に大きく関わっています

とは言っても、幼少期に壮絶な肉体的・精神的苦痛を受けトラウマになっていたり、社会から阻害されたりキャリアで失敗したりするほどのものではありません。日常的によくある行動でも感じる“人間の生存本能”に従うものです。
どういうことかというと、人間は本能的に何がしたいかではなくて“安全だと思うことをしてしまっている”ということ。例えば、休みの日に予定がなければ、家でついダラダラしてしまうのは、“家から出ると危険なことがあるんじゃないか”と本能が思ってしまうため、体に“家にいよう”と指令を出しているからです。

心理学者フィル・マックグローは、人間が選択する行動の80%は恐怖が原動力だと言っています。人間は無意識のうちに、身の危険となり得ること・安全とは思えないことはしない選択をしています。新しいことに挑戦しようとしていても、なかなか踏み出せない。それは無意識のうちに本能が自分を安全なところに留めようとしているからです。このセオリーは“ホメオスタシス”という人間が生きるために一定の状態を保とうとする脳の働きにも当てはまります

“安全を求める”といっても実は自分の本能や脳が物事を大袈裟に捉えているだけ。否定的になる必要はないのに、何かにつけてこれは “自分にはできないんだ”・“やめておくべきだ”・“危ないんだ”と思うようになってしまっているんです。これこそまさに、ネガティブ感情から生まれた否定系の固定概念になってしまいます。

あえて恐怖を選ぼう

家から出たくないくらいならいいですが、生活にも心身にも影響が出るような状況に発展することは多々あります。例えば、今の職場がいやで転職したいけど踏み出せない。なんてよく聞きますよね。それはつまり、職場を変えること言い換えれば現状を変えることへの恐怖や、転職がうまくできるかわからないという不安や、現職を辞めるまでに社内人間関係が気まずくなるのがいやだ、などというネガティブ感情が先入観になっているからです。

雇われの身が不満で起業したいけど失敗しないか心配だからできない。という例はまさにそう。“失敗する”という先入観が邪魔をして、起業できないわけですよね。
でも、そんなのやってみないとわかりませんよね。それでいてやってみたら、うまくいくかもしれませんよね。だとしたらやっぱり、先入観のせいで行動できない状況は、とてももったいないと思いませんか?

人は、既存の信念や期待に対して合致する情報を都合よく受け入れてしまいがちです。自分の信念を強化するために、一貫性を保とうとするのですが、自分の考えが正しいと思い込むだけでなく、それ以外の情報を無視したり軽視したりすることがあります。変化を起こしたい人にとって厄介なのは、変化のない状況が続くとそれを“安全”と思い込んでしまうことです。そうすると本能はそこから動きたくなくなってしまうので、結局行動を起こせなくなってしまいます。

だからこういう場合は、思い込みや固定概念に縛られている自分に気づきその上で、 “現在の状況で居続けることの方が怖いんだ”と自分に暗示をかけて、あえて恐怖を選ぶことです。多少リスクがあって手間がかかっても、我慢を続けるよりは理想実現を優先したくありませんか?

まとめ

インドの象は生まれるとすぐに足にロープを巻かれ、杭につながれます。小さい頃は力がなく杭が抜けませんでしたが、大きくなれば抜くことができるはずです。でも、象はそれを試そうともしません。なぜなら子供の頃に試したのに抜けなかったから、その杭はどうせ今も抜けるはずがないと思ってしまっているからですよね。これこそが、思い込みです。

過去の経験や思い込みが、人の成長と可能性を制限していることは往々にしてあります。そしてそれは思いの外人生にも大きな影響を与えます。でもそれを解除することでポジティブな変化が訪れてきます。
思い込みの発生源は、幼少期の環境や社会的な影響、そして恐怖から生じるものです。自分を客観的に見つめ、自己肯定感を高めることで、これらの思い込みを乗り越える手助けになります。また、物事を客観的に考え、新しい経験や挑戦を通じて思考の幅を広げることで、人生にポジティブな変化をもたらすことができます。それから、安全な状況に留まることの安心感をあえて捨て、変化を求める勇気を持つことが、変化を起こす第一歩です。失敗や困難も成長のチャンスとして捉え、ポジティブな態度で前に進んでいくことが、本当に重要なんですね。

皆さんはインドの象のような状況にいませんか?もしかしたら、何かを試す前から、自分には無理だと思い込んでしまっているだけではないですか?今のあなたならそのロープの杭もスポっと抜けるかもしれませんよ。一歩踏み出してみましょう!

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